2017年10月14日土曜日

航海日誌 10月14日(2017)


平素より、BKSをご利用いただき厚くお礼を申し上げます。
座礁したソレイユ号の牽引作業について、続報です。

10月4日の事故発生当日から、コーストガード、マリンポリス、サルベージ会社等の協力を仰ぎ、ソレイユ号をマーレ近くのドック島に船体移動させることができました。

10月21日に全ての牽引作業が終了し、ドライドックが始まったことを報告いたします。

今回、座礁から船体牽引に2週余りの時間を要しましたが、関係者の方々の懸命な対応に心より敬意を表するとともに、現場の作業に関わった全てのクルーにも心より感謝します。

座礁中の荒天によるハルの損傷具合が大きく、浸水箇所が多部に及ぶため、メンテナンスとリノベーションに時間を要すると思われますが、ソレイユ号復航に向けて、ドック作業を進めてまいります。

つきましては、今シーズン及び来シーズンにかけて、代用船を用意して、運航できるよう最終調整中ですので、随時確定次第ここにご案内させていただきます。

お客様や各関係者様方には、再度ご迷惑をお掛けすることを深くお詫び申し上げます。

ソレイユ号の運行再開期日が確定次第改めてご案内させていただきますので、今後とも皆様方の温かいご支援と、力強いご支援を賜りますようよろしくお願い申し上げます。

ーーー Blue “K” Safari Maldives スタッフ一同 ーーー

以下、航海日誌を綴ります。
末尾までお読みいただけると幸いです。

こんにちは、キコです。

引き続きグランドノースです。

10月14日からの3週目は、国内線でハニマドゥまで飛んで、潜りながら南下、ハニファルを経由してマーレまで戻るコースです。

ハニファルより北に行くとサファリボートもぐっと少なくなり、普段なかなか行けないポイントばかりなので、参加される皆さんに輪をかけて、ガイド陣も楽しみにしている北部環礁巡りです。

ダイビング6日間で6環礁を移動するロングドライブのため、今回は15ダイブ行いました。

約半分はグランドノース馴染みのポイント、約半分はニューポイント。

ブリーフィングのフレーズは、「小耳に挟んだところによると、〜〜な感じらしいですよ」。

そんな説明に耳を傾けてくれるお客様(^_^)

そんな朗らかなお客様によって、スペシャルツアーの冒険野郎は支えられております!\(^_^)/

初日1本目からいきなりニューポイント、ハアアダール環礁北部のマンタポイントです。

入ってすぐにマンタ登場。

クリーニングロックで綺麗な舞を何度も見せてくれます。ズームなしでもスゴく近い!

昨夜のお客様の到着時間は夜中の1時すぎ。
なので初日は無理せず2ダイブです。

お次はハアアダール環礁中央のニューポイントの根。

潜降直後にトンガリサカタザメ登場。油断しまっくっていてカメラの準備が間に合わず(笑)

イワシの稚魚などベビーたちが根を覆い、ギンガメ、カスミ、ロウニン、コガネシマアジの群れが根のいたるとことにあって思わず、頭の中で「すし○んまい」のCMがリフレイン(笑)

それくらいよく群れていました!






2日目。

南下しながらハアアダール環礁の定番ポイント、ヴァイカラドゥへ。

先週はレオパードに会えたので期待していましたが、今日は会えず。

流れがミディアム〜ストロングですが、透明度が30m近くあり、マダラトビエイの背中の模様がくっきり見える(^_^)



2本目、ヴァイカラムライドゥ。

流れはミディアム、透明度20m。

オーバーハングに隠れながら潮あたりに向かってアゲインストで泳いでいると、ヒメイトマキエイ20枚編隊がヒューっと後ろを。

根のトップはフュージラーの大流。またもや流れる「すし○んまい」のCM(笑)




3本目、ゴイドゥのチャネル。

アウトカレントだったので期待薄でしたが、潮あたりは魚影が濃い。

ナンヨウツバメウオの大群と遊んでいると、キンメモドキが凝集するオーバーハングあり。

その棚にひっそり佇むナースシャークくん。

きっと君はうまく身を隠していたつもりなんだろうねぇ。

うっかり引っかかるところだったよ。でも見つけちゃったもんね〜(^_^)





3日目、ゴイドゥ近くのニューポイントのリーフにてタイガーシャークの目撃情報があるとのこと。

ミディアムカレント、アゲインストでも関係なく泳いで泳いで東西南北探しますが、タイガーには出会えず。

目撃情報を頼りにニューポイントを果敢に攻める。

その時は獲物に出会えなくても、思わぬところで大物に出会えるチャンスを「狙う」ことがワクワクするんです。

これが、グランドノースのポイント開拓の楽しいところ(^_^)

早朝のエクササイズは朝飯がうまいですしね(^_-)

2本目はシャヴィヤニ環礁のシャークポイント、お目当てはギターシャークです。

流れはスモール〜ミディアム。

カレントチェックの時から根のトップでギンガメがトルネードしていて、魚影の濃さが期待大。

狙いのオーバーハングでエントリーしてボトムの砂地を探し始めると、すぐいたギターシャーク!

「狙ってます」感が伝わるとすぐ逃げ去ってしまうので、気配を落としつつとてもゆっくり近づかねばなりません。

ギターシャークの隣で同じように砂地に寝そべるコバンザメ。

そうやって同じ格好になってギターシャークになりきっているつもりなのかなぁ(笑)

砂地から根に戻るとツバメウオの群れ、根のトップはバラクーダの群れ群れ群れ。

エキジットまで楽しいダイビングでした(^_^)





3本目、環礁西側で行きたかった根があるのですが、透明度の悪さと高波とで見つからず、近くのドロップオフリーフへ。

カスミの群れ、コガネシマアジの群れ、ボトムのオーバーハングのブルーコーラルが綺麗に咲いていてうっとり眺めていると、沖を泳いで行った流しのギター!油断は禁物だ(笑)



4日目、南下してヌーヌ環礁に戻ってきました。

1本目はシャークポイント。

流れを求めていたのですが、潮流なし。

根をぐるり1周しましたがレオパード・ギターには出会えず。

エッジにたむろするグレーリーフも、なんだかのんびりモード(^_^;)

流れてなくてもトップのギンガメ大群は存在感大。

もう一つ存在感が大きかったのが、ロブスター。

緊張感なく全身露わで、お客さん曰く「もはや刺身にしか見えず(爆笑)」





2本目、バアアかラヴィヤニのどちらがいいかの二者択一。

全会一致でハニファルにチャレンジしたいということで、進路を西にとりラアア環礁へ。

安定的に魚影が濃い、環礁東側の根です。

ここのウリは、イエローバックフュージラーの群れ。

グランドノース行程の中で一番の数だと思います。

流れがなくてやや分散気味でしたが、壁のように広がる大きい群れでした。

後半は根のトップへ。

ここの別名はアネモネガーデン。

クダラティラノトップが全部イソギンチャクですよと言ったら、範囲の想像がつくかな?

ラアアまで来たら、ここは行っておきたいポイントです(^_-)

その後はバアア環礁に入って、明朝からのハニファルチェックに備えてキハドゥ停泊です。

今シーズン、ハニファル当たりをまだ経験していないBKS。
明日が今シーズンのラストチャンスです。

一つ良い兆しがあって、ラアアに入ってからプランクトン量が増えて透明度が悪くなっている。
マンタにとっては良い傾向です。

ということで今宵は、トップデッキでサンセット&ビールという、女子会という名のハニファル前夜祭!

お客様がパック詰めの”おでん”を差し入れに持って来てくれていて、ビール&おでんの組み合わせ!
これは女子会じゃなくてオッさんだな(笑)

でも旨いしサンセットは綺麗だし、まぁいっか!\(^_^)/









5日目の朝食前、キコ班はダイビングへ。

本船に残ったアスラムはハニファルチェックへ。

アスラムから連絡が入り、エキジットしたら本船に戻らずにハニファルに向かいます。

湾内に入るとマンタのウイングが水面に出ているのが見えます。

エントリーすると約30枚のサイクロン採餌が始まっていました。

数が減ったり、また増えたりしながら、ぐるぐるマンタがずっと続く。

体も冷えてきたし疲れてお腹も減って、でもマンタはお腹いっぱい(贅沢!)
となるまで何十分も泳ぎました!\(^_^)/

諦めなくてよかった!(T ^ T)

今日は朝食がとびきり美味しいなぁと思いながら、ドーニから本船に移るラダーに足をかけると、ラダーの真下にどこかで見覚えのある黒い影。

これはジンベエザメじゃないか!!

慌ててドーニに戻ってマスク・フィン装着!

頭上に母船の船底があるけれど、素潜りするっきゃないでしょう!

近くを別のドーニが通りかかったので、「ジンベエがいるぞ!」とみんなで叫んで知らせたのですが、すいーっとそのまま通り過ぎて行きました。

なんで!?ジンベエだよ!?私たちは追いかけますよーっ!(笑)

予想してないスペシャルゲスト登場で大興奮でした!\(^_^)/









2本目はドンファン。

フュージラーのシャワーが気持ちいい(^_^)

バアアで3ダイブのつもりでしたが、お客様より「マンタとジンベエでダイビング2本分くらいもう泳いだから、今日はもういいかなぁ〜(余裕の発言笑)」

ということで、午後は北マーレ環礁への約120kmの移動時間です。

移動中、タグボートに牽引されるソレイユ号にすれ違いました。

風が落ち着き始めた今週の火曜日から、ソレイユ号をリーフから引き出す最終作業が始まっていて、無事に環礁移動を越えきったんです。

座礁から10日以上、その間も強風にあおられて、乗り上げているリーフに船底を何度もぶつけて浸水し、横転・沈没の危機がありましたが、牽引されながらも洋上を走るソレイユ号を見ることができて、感無量でした。

現場の作業に関わった全ての関係者の方々、BKSクルーに、心より感謝です。







最終日の1本目はフィンガーポイント。

今週一番のストロングインカレント、透明度は30mオーバー。そして流れがあり過ぎるから?サメがいない(笑)

早々とドリフトに切り替えますが、時々ダウンカレント、時々アップカレント。
ドリフトなはずなのに、泳ぐダイビング(笑)

こういう流れに積極的なところが、BKSのお家と言うのでしょうか(^_-)

最終ダイビングは、フォトポイントのマーギリにて。

通常コースの人気者、ヨスジフエダイの群れ、ドラキュラゴビー、オーロラゴビーを撮りながら、それぞれゆっくりと潜りました。






今週は、ハアアダール、シャヴィヤニ、ヌーヌ、ラアア、バアア、ノースマーレを辿り、計15本のダイビング。

当たり年と言われながら、荒天に阻まれ続けた”ぐるぐるマンタ”にようやく出会うことができて、とても幸運な1週間でした。

グランドノースは、ギターシャークやレオパードシャークなど希少種を狙いや、1・2年に1度しか行かないポイントや開発ポイントが多くて、通常コースのようにたくさんのサファリ船に出会うことがないので、プライベート感覚でサンセットや星空などの洋上風景を楽しむことができます。

今年も、たくさんのリピーター様と、ご紹介のお友達様にお越しいただきました。

スペシャルコースの性質上、航路はいつもフレキシブルではあるのですが、トリップ中の座礁事故により、滞在先変更と航路変更の余儀がなかったこと、本当にすいませんでした。

急遽の変更に対して、あたたかく応えていただき、そしてご乗船いただき、心より感謝しております。

BKSのお客様の優しさと、お客様に支えられて今があることを、こんなに深く感じたことはありません。

本当にありがとうございました。

力及ばずだったハニファルベイ、またリベンジ行きましょう!

ハアアダール折り返しになってしまったグランドノース、次またハアアリフのコース作ります!

またみなさんと一緒にアドヴェンチャーができることを楽しみにしています!

《写真のご提供》
律さん、綾さんよっちゃん