2017年9月30日土曜日

航海日誌 9月30日(2017)

モルディブ時刻、10月4日午前5時頃、バアア環礁のロイヤルアイランド沖にて、グランドノース旅程中のBKS「ソレイユ号」が、悪天候と強風の煽りにより座礁いたしました。

乗船中のお客様は全員怪我なく無事、またお荷物類も損傷なく無事。ロイヤルアイランドに一時上陸したのち、ダラヴァンドゥ島のゲストハウスに移動。ここをベースに、バアア環礁でのダイビングを行い、今朝、予定していた国内線・国際線にてご帰国されました。

ソレイユ号の状況について述べますと、
ヒットしたリーフが非常に浅く、すぐにハルが変形してしまったと思われます。船底から浸水が始まり、ポンプによる地階の海水を排出する作業と、浸水箇所の特定とそれを塞ぐための検証が、今現在も継続して行われています。コーストガードの協力を仰いで、タグボートを用意して、マーレに牽引してソレイユ号をレスキューするために、作業にあたっています。

事故発生時にご乗船されていた皆様に、心よりお詫びを申し上げます。また、BKSにお越しいただいている全てのお客様、関係者の皆様、多大なご心労をお掛け致しましたことを深くお詫び申し上げます。BKSは、日頃より安全運航について第一に心がけてきましたが、今回の座礁を引き起こしてしまい誠に申し訳ありませんでした。

今後の予定については、BKS所有のソレイユ2号、または代用船を用意して、運航できるよう進めております。
10月7日から10月21日の週に使用するボートについては、スティングレイ号。10月28日以降に使用するボートの選定を現在進めております。数隻候補があがっており、その中には、「ブルーシャーク1号」も候補にあがっています。使用するサファリボートが確定次第、あらためてお知らせいたします。

また、グランドノース旅程ですが、スティングレイ号では、予定していたハアアリフ北限までのルートがとれなくなってしまいました。バアア環礁とラアア環礁の空港を使い、ヌーヌ環礁を最北航路として、北部環礁をめぐる予定です。急な事情にて大変ご迷惑をおかけいたしまして申し訳ございません。

今後、コーストガード等との作業・検証により、座礁の原因究明が図られることになりますが、BKSと致しましては、これらの結果を踏まえて、なお一層安全運航に徹すべく努めて参りますので、何卒ご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げます。

ーーー Blue “K” Safari Maldives スタッフ一同 ーーー


以下、航海日誌を綴ります。
末尾までお読みいただけると幸いです。

9月30日から10月21日は、雨季のビッグイベント、グランドノース。今年は3週間のスペシャルです。

9月30日からの1週目はアリ環礁のジンベイを狙ってからバアア環礁のハニファルまで行く欲張りコース。帰りは国内線でマーレに戻ります。

このコースにエントリーされたのは、BKSヘビーリピーターさま&埼玉鴻巣ダイビング屋「海の雫」さま。

皆さんのノリとポジティブさとコンビネーションが完全にマッチして、個人さまショップさまというカテゴリーを超えた一体感満点の1週間でした。

まずは到着すぐの前夜祭!これが集まったおつまみ&お酒たち(手前のペットボトル)。

なんとワイングラスや冷酒グラスまであるのです!

アフターダイビングへの念の入った仕込みのため、ダイビング器材は全て現地レンタルにして、スーツケースの中身は食材&飲料(例のペットボトル)でポンポコリンという御方も!




そして第1発目の早朝ブリーフィングでは…茶を点てて、心身の芯を佇てる。ビフォーダイビングもパーフェクトだ…



1本目バナナリーフ。

朝日がまだ充分に差し込んでいませんが透明度よく、オーバーハングのヨスジも沖のフュージラーも、バックのブルーによく映えます。流れもほとんどなくて、寝起きの体にはストレッチみたいで気持ちがいい(^_-)




2本目、南マーレのカンドゥーマ。

流れ程よく、チャネルの王道のマダラトビエイと並走し、グレーリーフうろうろ、ギンガメの群れあり、ロウニン・カスミが後ろをついてくる。

中上級者ポイントだけど、それだけに貫禄の楽しいポイント(^_-)







1週目でアリからバアアを縦断するので、初日に一気に南アリで停泊するので、ダイビングは2本で切り上げて移動です。

予定の停泊地に着くと、とても美しい夕日。

サンセットとビールとチルアウト、洋上生活最高だ!

夜はお誕生日のお祝いです。

そして今週のスペシャルは、ギタリストとして現役のゲストさんが乗船されていて、この方は2年前はNAHOちゃんのお誕生日のときにちょうど乗船されていて、そのときはNAHOちゃんのためにバースデーソングを、そして今宵も超素敵なBGMで、宴会を色添えです。

贅沢な時間です(´∀`)




2日目は第一ミッション、ジンベエ探し。

総動員で海原を凝視すること1時間…2時間…でシルエット発見!

急いでスノーケルスタンバイしましたが瞬く間に潜ってしまったので、ダイビングすることに。

水面を過ぎるスピードボートのエンジン音を聞きながら、右に左にジンベエを探す。

時間が半分過ぎて、「こりゃ、もう1本サーチダイビングかな」と思い始めたとき、正面からジンベエ登場!

一生懸命泳いだあと息を整えていると、別個体が進行方向から登場!

また一生懸命泳いで残圧50ber、もう上がらないとねというころ、後方からまた別個体が登場、

1ダイビング中に3個体とご対面!泳ぎ続けたけど、疲労が全て爽快感に変わる達成感(^_-)





お次はクダラティラ。

朝からそうなのですが、風速が増していて、ディッドゥから西に行くとたちまち荒波になっていたんです。

そしてクダラティラに向かう途中でスコール通過。

ドーニの上でもマスクをつけていないと目が開けられない(笑)

ですが水中は比較的穏やかで、ヨスジの大群に癒されました。






3日目はオマドゥから。

やはり風が強くてポイントに近づくにつれ波が高くなります。

次のフィッシュヘッドも、環礁内側の根なんだけど波が高い。

それでも水中の流れは生物にとってはちょうどよく、魚影の濃さは健在。棚上のグレーリーフも大接近!






次のラスドゥまでの環礁移動は短いのによく揺れる。

水面のコンディションとは裏腹に、ラスドゥの水中は透明度30m。

イソマグロ、巨大マダラエイ、グレーリーフ、モビュラー編隊、そしてマンタも(^_-)

いつもは透明度の悪さで地形の美しさが充分お伝えできないのですが、今日は透明度がいいので、素敵なフカンの写真も撮っていただけました(^_-)

片方がドロップオフ、片方が白い砂地なアンシンメトリーが綺麗なんです。








1日のダイビングが終わって15:30から、バアアに向けて環礁移動を始めました。

リビングの椅子が倒れて、キッチンの物が落ちて、赤道越えのロングトリップのときのように母船もドーニも風に煽られます。

徐行運転をしながら23時頃に環礁移動終了。

島影に逃げるためにアンカーを打ち直しましたが、夜明け前の5時頃ソレイユ号座礁。

瞬く間に完全にリーフに乗り上げてしまい、エンジンルームが少しずつ浸水します。

電気がショートした部屋があり、お客様に直ちにスーツケースをまとめていただいて、6時前にソレイユ号から離脱。

対岸のロイヤルアイランドに避難しました。

ロイヤルアイランドは、ハニファルベイまで片道ドーニ約1時間の距離と、少し遠いので、ハニファルベイが望めるダラヴァンドゥ島のゲストハウスに移動しました。

そのゲストハウスが、まだ新しい素敵ホテル








目の前のビーチはビキニ着用OKのプライベートビーチ。

ここが、後半3日間のBKSの陸本拠地です。

この日の座礁当日は、コーストガードとマリンポリスの調査と指示のためドーニを使うことができず、ダイビングが出来なかったのですが、

「災い転じて福となす」←(今回いろんな方にかけていただいた言葉です。この言葉とお気持ちに何度助けられたことか!本当にごめんなさい、本当にありがとうございます!)

と、ビュッフェスタイルの朝食のあとは皆さん、青い海を眺めながらハンモックに揺られてまったり過ごし、ビキニビーチのロングチェアーに横になって日焼けしたり、すぐ目の前の海で泳ぎ、お腹が空いたころにビュッフェのランチ。

午後は島散策とローカルのお土産屋さんにお出かけ。

ローカル感満点の食料品屋さんでアイスを立ち食い(^_-)

ビュッフェのディナーの後は皆んなで十五夜のお月さんを観賞という、リゾートライフを過ごしました。










翌木曜日からはダイビング再開です。

マンタのクリーニングステーションもしくはマンタの通り道3本です。

ハニファルレンジャーや近隣のダイビングサービスの情報によると、火曜日あたりから強風と高波あり、乾季を思わせるような流れと透明度がよすぎて、プランクトンが押し流されてしまったような感じとのこと。

1本目はダラヴァンドゥコーナー。

水面近くでハニファル方向へ向かうマンタがいましたが、ステーションには戻って来ず。

リーフ沿いにギンガメ、フュージラー、イソマグロ、ヨスジ、ムスジなどを観察。

やはり今日も透明度がいい。今ばかりは、透明度求めてないんだけどなぁ(汗)

2本目はダラヴァンドゥティラ。

マンタ現れず、砂地でまったりマクロ写真を楽しみます。

イソマグロ、ロウニン、カスミ、チンアナゴ、スカテン・キンメモドキの群れ、オーロラゴビー、ドラキュラゴビーなどを観察。

水面休息中にハニファルベイを一周してマンタチェックしますが、ベイの外も内も波が高い(>_<)

3本目はキハドゥファルティラ。

17時のエントリーですが、透明度がいいので水中が明るい。

狭いオーバーハングに頭隠して尻隠さずのナースシャーク4匹、マダラエイのベビー、フュージラー、ムレハタタテダイなどを観察。






その夜中、座礁しているソレイユ号が強風で左右に煽られて浸水増大、地階部分がほぼ浸水して、横転など予断を許さない状況だという連絡が入りました。

排水ポンプを6台使って、地階の海水を排出する作業と並行して、ハルに空いた穴を塞ぐ作業が、母船チームでは続きます。

ダイビングチームは、ドンファンで最終ダイビングです。

潮あたりでイソマグロ、ロウニン、カスミ、マダラトビエイ、グレーリーフ、ナポレオンの4匹家族、巨大アオウミガメなどを観察。

流れがミディアムで泳ぎましたが、アグレッシブで楽しいダイビングが出来ました。



金曜日の今日は、実はリブアボートがハニファルを使ってもいい日。

私たちにとってラストチャンスの日。

諦めきれないので、午後にローカルドーニを出してハニファル一帯のマンタ探しに行きました。

ダラヴァンドゥ島を出てハニファルベイに近づくほど、風と波が強くなる〜(>_<)

ハニファル湾内に入りますが、波が高くてブイ係留ができない。

泳いで辺りを探しますが、流れあり、透明度よし、プランクトンいない〜(>_<)

風がも少し落ち着くか待つために、他のクリーニングステーションに行ってみます。

ダラヴァンドゥコーナー、流れなし透明度OKということで、マンタ探しのドーニ待機が1時間以上経っていたので、皆んなで気分転換にスノーケリングです。

マンタはいませんが、日差しで体が少々疲れていたので、水の冷たさと透明度が気持ちいい。

ここにパウダー玉があったら最高なんだけどな〜。

18:00のハニファルベイのクローズ時間までもう少し時間があるので、もう一度だけ湾内チェック。

さっきよりは波が小さくなってブイ係留してマンタチェックしますが、ここでタイムアップ。

週の前半に3ジンベエに会えて、ソレイユ号座礁があって、そのあとのバアア環礁だったので、皆さんにぐるぐるマンタの思い出を持って帰って欲しかったのですがm(._.)m

BKSでバアア環礁を含むツアーを立てますので、リベンジツアー行きましょう!次は待っててね、ぐるぐるマンタちゃん!





ソレイユ号座礁という急な事情にて、ご心労とご迷惑をおかけして、本当に申し訳ございませんでした。

そういうときに優しい言葉をかけてもらって、本当に感謝しています。

とにかくお客様もスタッフも全員無事で、怪我も何もなくツアーをなんとか続けることができました。

お気遣いのおかげです。

「また来るから」と言って笑顔でご帰国された皆さんのお顔、この先ずっと忘れません。

またお目にかかれるのを楽しみにしております。ありがとうございました!


《今週の記念》
あおいさん、お誕生おめでとうございます!
ノックさん、400diveおめでとうございます!
小夜さん、BKS400diveおめでとうございます!

《写真のご提供》
てぃーちゃー、ノック、ダイビング屋 海の雫 大熊孝幸さま

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